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河を渡って木立の中へ





 この言葉に出会ったのはかなり前、たしか扇谷正造氏の現代ビジネス金言集の中の一節で妙に感慨深い想いで読んだ記憶があります。
リー将軍が語ったと言われていますが、彼の右腕のトーマス・ジョナサン・ジャクソンが語ったと言う説もあるなど、真偽の程は定かではないようです。
ヘミングウェイの作品にも同名の小説があります。
 戦場で何十人、何百人の人の死を前にしたとき人間の精神状態は想像を絶するものがあるに違いありません。
この辺の状況描写を扇谷氏は現代ビジネス金言集のなかで次のように語っています。


「アメリカの南北戦争の時の南軍の総司令官、ロバート・エドワード・リー将軍(Robert Edward Lee 1807年~1870年)のことばだと聞いている。
ことばの意味はこうである。両軍相会して会戦となる。将軍は指揮刀をふるって号令をかける。
「全軍、突撃!」
兵隊たちが怒濤のように、敵軍に突っ込む。それを眺め、馬を走らせながら、将軍は、そっと、自分自身に、小声でつぶやく。
Across the River and into the Trees
河は、目前の戦争である。この戦闘で、また何十何百人の将兵の命が失われるかも知れない。
いや、ひょっとして指揮をとっている自分だって、あるいはきょうの日が最後とならないとは限らない。
人間の運命は、はかりがたい。しかし、今は、とにかく、全力をつくして目前の困難を突破せねばならぬ。
その後には、河岸に、木立の陰のいこいが自分を待っている。」


まさに名文ですが、現代のビジネス社会に生きる私たちにも共感できるものがあります。

「河を渡って・・・・木立の中へ・・・・・」

  この言葉を巻頭言にしたのも、年代や職業を超えてその想いを共有したいと思ったからです。
私たちにもいろいろな河があります。
あるいは受験で、あるいは仕事で・・・・・・・
 人々はそれぞれ対象は違うかも知れないけれど自分の河に直面します。
困難に出くわしたとき、私たちはほんのちょっとの間立ち止まってこの言葉を思い出すことが出来ます。

 戦後、リー将軍はバージニア州のワシントン大学学長に就き、戦争で荒廃した南部の復興のために人材育成に尽くし、1870年10月12日に亡くなりました。
「 進撃だ、テントをたため 」 が最後の言葉になったとも言われております。

菊 池 芳 平


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