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中小企業者等の税額控除


2022/2/1  菊 池 芳 平




 中小企業者等の税額控除の概要
 青色申告書を提出する中小企業者等が平成10年6月1日から令和5年3月31日までの期間(指定期間)内に新品の機械及び装置などを取得又は製作して国内にある製造業、建設業などの指定事業の用に供した場合は、その指定事業供用年度に、中小企業者等の税額控除をすることができます。
(注1) 所有権移転外リース取引により賃借人が取得したものとされる資産については、特別償却の規定は適用されませんが、税額控除の規定は適用されます。

 対象となる法人
 この制度の対象となる法人は、青色申告法人である中小企業者又は農業協同組合等若しくは商店街振興組合です。

 対象となる事業年度
 適用対象事業年度は、指定期間内に次に述べる適用対象資産を取得し又は製作して指定事業の用に供した場合におけるその指定事業の用に供した日を含む事業年度です。
 ただし、この事業年度であっても、解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度及び清算中の各事業年度は除きます。

 対象となる資産
 この制度の対象となる特定機械装置等は、次に掲げる新品の資産で、指定期間内に取得し又は製作して指定事業の用に供したものです。ただし、内航運送用船舶の貸渡し事業法人以外の法人が貸付けの用に供する資産は、特定機械装置等には該当しません。
(1) 機械及び装置で1台又は1基の取得価額が160万円以上のもの
(2) 製品の品質管理の向上等に資する測定工具及び検査工具で、1台又は1基の取得価額が120万円以上のもの
(3) (2)に準ずるものとして測定工具及び検査工具の取得価額の合計額が120万円以上であるもの(1台又は1基の取得価額が30万円未満であるものを除きます。)
(4) ソフトウェア(複写して販売するための原本、開発研究用のもの又はサーバー用のオペレーティングシステムのうち一定のものなどは除きます。)で次に掲げるいずれかのもの
イ 一のソフトウェアの取得価額が70万円以上のもの
ロ その事業年度において事業の用に供したソフトウェアの取得価額の合計額が70万円以上のもの
(5) 車両及び運搬具のうち一定の普通自動車で、貨物の運送の用に供されるもののうち車両総重量が3.5トン以上のもの

 指定事業とは
 特別償却の対象となる指定事業は次に掲げる事業です。
 製造業、建設業、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、採石業、砂利採取業、卸売業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送業、ガス業、小売業、料理店業その他の飲食店業(料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業にあっては、生活衛生同業組合の組合員が行うものに限ります。)、一般旅客自動車運送業、海洋運輸業、沿海運輸業、内航船舶貸渡業、旅行業、こん包業、郵便業、情報通信業、損害保険代理業、不動産業、駐車場業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、洗濯・理容・美容・浴場業、その他の生活関連サービス業、映画業、教育、学習支援業、医療、福祉業、協同組合(他に分類されないもの)及びサービス業(他に分類されないもの)
(注1)娯楽業(映画業を除きます。)は対象になりません。
また、性風俗関連特殊営業に該当する事業も対象となりません。

 税額控除限度額
 税額控除限度額は、基準取得価額の7%相当額です。
 基準取得価額とは、船舶についてはその取得価額に75%を乗じた金額をいい、その他の資産についてはその取得価額をいいます。
 なお、税額控除の控除上限は、この制度における税額控除、特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度(旧措法42の12の3)における税額控除及び中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度(措法42の12の4)における税額控除の合計でその事業年度の調整前法人税額の20%相当額を上限とされています。

適用要件
 特別償却の適用を受けるためには、確定申告書等に償却限度額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。
 一の資産についてこの制度による特別償却と税額控除との重複適用は認められません。
 この制度による特別償却又は税額控除の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の圧縮記帳、他の制度による特別償却又は他の税額控除の規定の重複適用は認められません。

 税額控除限度超過額の繰越し
 税額控除限度額がその事業年度の法人税額の20%相当額を超えたことから、その事業年度において税額控除限度額の全部を控除しきれなかった場合は、その控除しきれなかった金額(以下「繰越税額控除限度超過額」といいます。)について1年間の繰越しが認められます。

 機械装置等が特定経営力向上設備等に該当する場合
 中小企業者などが、平成29年4月1日から令和5年3月31日までの期間内に、特定経営力向上設備等に該当するもののうち一定の規模のものの取得等をして、国内の対象事業の用に供した場合には、その事業の用に供した事業年度において、即時償却又は7%(特定の中小企業者などについては10%)の税額控除ができます
(注) 特定経営力向上設備等とは、中小企業等経営強化法施行規則第16条第2項に規定する経営力向上に著しく資する設備等(生産性向上設備・収益力強化設備・デジタル化設備・経営資源集約化設備)(中小企業等経営強化法第17条第1項に規定する経営力向上計画に記載されたものに限ります。)をいいます



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