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相続税 - 延納(1)


2017/9/1  菊 池 芳 平


 相続税は、金銭で一時に納付することが原則ですが、税額が10万円を超え、かつ、金銭で納付することを困難とする事由がある場合は、納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として、担保を提供することにより、年賦で分割納付することができます。この延納期間中は利子税の納付が必要です。

延納の要件
 次のすべての要件を満たす場合は、相続税額の延納申請をすることができます。(法38@C、39@)
(1)納付すべき相続税額が10万円を超えること。
(2)納税義務者について、納期限又は納付すべき日( 以下、延納申請期限といいます。 )までに金銭で納付することを困難とする事由があること。
(3)その納付を困難とする金額が限度であること。
(4)延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供すること。
(ただし、延納税額が100万円以下で、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保を提供する必要はありません。)
(5)延納申請期限までに、延納申請書と担保提供関係書類を所轄税務署長に提出すること。

担保として提供できる財産
 延納の担保として提供できる財産は以下のものに限られます。(通50@)
(1)国債及び地方債
(2)社債その他の有価証券で税務署長が確実と認めるもの
(3)土地
(4)建物、立木、登記・登録される船舶、自動車、建設機械などで、保険に附したもの
(5)鉄道財団、工場財団など
(6)税務署長が確実と認める保証人の保証

担保として不適格な財産
 一般に次のような財産は担保として不適格とされています。
(1).法令上、担保権の設定又は処分が禁止されているもの
(2.違法建築や土地の違法利用のための建物除去命令等がされているもの
(3).共同相続人の間で所有権の争いがあるもの
(4.)共有不動産で共有者全員から担保の承諾が得られないもの
(5.)売却できる見込みがないもの
(6.)担保価値の少ないもの
(7.)担保の存続期間が延納期間よりも短いもの
(8.)第三者又は法定代理人等の同意が必要な場合に、その同意が得られないもの

担保提供関係書類の提出
 延納は、所轄税務署長に延納申請書のほかに担保提供関係書類を延納申請期限までに提出する必要があります。
その期限までに担保提供関係書類を提出できない場合は、「担保提供関係書類提出期限延長届出書」を提出することができます。
この場合は3か月を限度として最長6か月まで担保提供関係書類の提出期限を延長することができます。(法39@EFG)

延納申請の調査と許可又は却下
 税務署長は、延納申請書の提出があつた場合は調査を行い、その調査に基づき、当該申請書の提出期限の翌日から起算して3月以内に延納の許可をし、又は当該申請の却下をします。
 税務署長が延納の許可をする場合、当該申請者の提供しようとする担保が適当でないと認めるときは、その変更を求めることができます。(法39AB)



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