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会社の税金 - 株式移転A


2015/11/1  菊 池 芳 平

1. 適格株式移転の取扱い
(1) 株式移転完全子法人
 株式移転完全子法人は、適格株式移転の場合特に処理の必要はありません。
(2) 株式移転完全親法人
 適格株式移転(注1)により取得をした適格株式移転に係る株式移転完全子法人の株式の取得価額は、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額となります。
(注1) 適格株式移転に該当しない株式移転でその株式移転の直前に株式移転に係る株式移転完全子法人と他の株式移転完全子法人との間に完全支配関係があつた場合における株式移転を含みます。
イ 適格株式移転の直前における株式移転完全子法人の株主の数が50人未満である場合
 株式移転完全子法人の株主が有していた株式移転完全子法人の株式の適格株式移転の直前の帳簿価額(注2)に相当する金額の合計額(株式移転完全子法人の株式の取得をするために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)
(注2) 株主が公益法人等又は人格のない社団等であり、かつ、株式移転完全子法人の株式がその収益事業以外の事業に属するものであつた場合には株式移転完全子法人の株式の価額として内国法人の帳簿に記載された金額とし、株主が個人である場合には個人が有していた株式移転完全子法人の株式の適格株式移転の直前の取得価額とします。

ロ 適格株式移転の直前における株式移転完全子法人の株主の数が50人以上である場合
 株式移転完全子法人の簿価純資産価額(注3)に相当する金額(株式移転完全子法人の株式の取得をするために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)
(注3) 簿価純資産額とは、株式移転完全子法人の適格株式移転の直前の資産の帳簿価額(適格株式移転に基因して第9条第1項第6号又は第9条の2第1項第4号(連結法人の譲渡修正事由)に掲げる金額が生じた場合には、その金額に相当する金額を含みます。)から適格株式移転の直前の負債の帳簿価額を減算した金額をいいます。

(3) 株式移転完全子法人の株主の処理
 @ 旧株の譲渡対価
 内国法人が旧株(その内国法人が有していた株式をいいます。)を発行した法人の行つた株式移転(その法人の株主に株式移転完全親法人の株式以外の資産(株式移転に反対するその株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除きます。)が交付されなかつたものに限ります。)によりその株式の交付を受けた場合の旧株の譲渡損益の計算における譲渡対価の額は、その旧株のその株式移転の直前の帳簿価額に相当する金額となります。(法61の2I)

 A 取得価額
 適格株式移転(注1)により取得をしたその適格株式移転に係る株式移転完全子法人の株式 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
イ その適格株式移転の直前におけるその株式移転完全子法人の株主の数が50人未満である場合
 その株式移転完全子法人の株主が有していたその株式移転完全子法人の株式の適格株式移転の直前の帳簿価額(注2)に相当する金額の合計額(その株式移転完全子法人の株式の取得をするために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)
ロ その適格株式移転の直前におけるその株式移転完全子法人の株主の数が50人以上である場合
 その株式移転完全子法人の簿価純資産価額(注3)に相当する金額(その株式移転完全子法人の株式の取得をするために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)

(注1) この場合の適格株式移転には、適格株式移転に該当しない株式移転でその株式移転の直前にその株式移転に係る株式移転完全子法人と他の株式移転完全子法人との間に完全支配関係があつた場合におけるその株式移転を含みます。
(注2) 直前の帳簿価額は、その株主が公益法人等又は人格のない社団等であり、かつ、その株式移転完全子法人の株式がその収益事業以外の事業に属するものであつた場合にはその株式移転完全子法人の株式の価額としてその内国法人の帳簿に記載された金額とし、その株主が個人である場合にはその個人が有していたその株式移転完全子法人の株式のその適格株式移転の直前の取得価額とします。
(注3) 簿価純資産価額とは、その株式移転完全子法人のその適格株式移転の直前の資産の帳簿価額(その適格株式移転に基因して第9条第1項第6号又は第9条の2第1項第4号に掲げる金額が生じた場合には、その金額に相当する金額を含みます。)からその適格株式移転の直前の負債の帳簿価額を減算した金額をいいます。


2. 非適格株式移転の取扱い
(1) 株式移転完全子法人
 内国法人が自己を株式移転完全子法人とする株式移転(注1)を行つた場合には、その内国法人がその非適格株式交換等の直前の時において有する時価評価資産(注2)の評価益又は評価損は、非適格株式交移転の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入します。

(注1) 適格株式移転又は株式移転の直前にその内国法人とその株式移転に係る他の株式移転完全子法人との間に完全支配関係があつた場合における株式移転を除きます。
(注2) 時価評価資産(固定資産、土地(土地の上に存する権利を含み、固定資産に該当するものを除きます。)、有価証券、金銭債権及び繰延資産で政令で定めるもの以外のものをいいます。)

(2) 株式移転完全親法人
 @ 株式移転完全親法人が取得した株式移転完全子法人の株式の取得価額は、その取得の時における有価証券の取得のために通常要する価額すなわち時価となります。
 
A 非適格株式移転で株式移転の直前に株式移転に係る株式移転完全子法人と他の株式移転完全子法人との間に完全支配関係があつた場合における株式移転については、
 イ 株式移転完全子法人の株主の数が50人未満である場
 その株式移転完全子法人の株主が有していた株式移転完全子法人の株式の適格株式移転の直前の帳簿価額(上記Aの(注2)参照)に相当する金額の合計額(その株式移転完全子法人の株式の取得をするために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)を取得価額とします。
 ロ その適格株式移転の直前における株式移転完全子法人の株主の数が50人以上である場合
 その株式移転完全子法人の簿価純資産価額(上記Aの(注3)参照)に相当する金額(その株式移転完全子法人の株式の取得をするために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)を取得価額とします。

(3) 株式移転完全子法人の株主
原則
 @ 有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入
 内国法人が有価証券の譲渡をした場合には、その譲渡に係る譲渡対価の額から原価の額を引いた譲渡利益額又は譲渡損失額は、別段の定めがある場合を除き、その譲渡に係る契約をした日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入します。(法61の2@)
 A @の場合の有価証券の取得価額
 その取得の時におけるその有価証券の取得のために通常要する価額(時価)が取得価額になります。(令119@二十六)

別段の定め
 @ 内国法人が、旧株(その内国法人が有していた株式)を発行した法人の行つた株式移転(注)により株式の交付を受けた場合における、その有価証券の譲渡に係る対価の額は、旧株の株式移転の直前の帳簿価額に相当する金額となります。(法61の2I) 従って譲渡損益は生じません。
  (注) 当該法人の株主に株式移転完全親法人の株式以外の資産(株式移転に反対するその株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除きます。)が交付されなかつたもの(金銭等不交付)に限ります。(法61の2Iかっこ書)
 A 金銭等不交付による株式移転(@の(注))により交付を受けたその株式移転完全親法人の株式の取得価額は、その株式移転完全子法人の株式の株式移転の直前の帳簿価額に相当する金額(株式移転完全親法人の株式の交付を受けるために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)となります。(令119@十)



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