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利益がでてるのにお金がないのは、なぜ?



2009/9/1  菊 池 芳 平    


利益がでてるのにお金がないのは次のような理由が考えられます。

1.利益が売掛金になっていて現金回収されていない
2.利益が在庫になっていて現金回収されていない
3.利益が固定資産に投資されていて現金回収されていない
4.利益が貸付金前渡金・保険積立金等の資産にとして社外に流出した
5.利益が銀行の借入金の返済として社外に流出した
つまり、利益がお金以外の資産に向かったのか、借金等の負債の返済に向かったために、儲かった実感が
ないのです。
あなたの会社のお金(現金と預金のことで通常キャッシュと言われます)は、営業取引では、通常次のように流れます。

 仕入れ→在庫→売り上げ→売掛金→現金預金→仕入れ

(このお金の流れはキャッシュフローといわれます。お金が増えたか減ったの意味で使われる場合もあります。)

しかし、商取引ではいろいろな理由から通常より多く仕入れることがあるのでその分お金が足りなくなること
があります。

その仕入れがすぐ売られず在庫となっていると、お金が在庫と入れ替わるので、在庫が現金化するまでの間
資金が不足します。

 さらに売り上げられても、代金が予定より回収が遅くなると、ますますお金が足りなくなります。
 
このように、在庫と売掛金というお金以外のモノはそれが現金化しない限りは資産であってもお金でない
ため資金繰りに影響するのです。

すなわち、利益が在庫や売掛金になっては勘定(利益)合って、銭足らずとなります。
損益計算書の世界では利益が在庫や売掛金、貸付金、借入金の返済等に化体しても利益は利益です。
しかし、資金繰りの世界では利益がキャッシュとして実現しないとお金がないので資金繰りが悪化します。

 営業循環取引以外の取引の場合でも考え方は同じです。

たとえば、利益が実現して預金が増えます。この時点ではお金が増えたので儲かった気がします。
しかし、すぐに銀行に借金返済したり(借入金の減少)、あるいは個人に貸し付けたり(貸付金の増加)、社員に給
料の前渡しをしたとか(前渡金の増加)、車を現金で買ったとかする(固定資産の増加)と、利益相当額のお金が手
元から出て行きます。 そのかわりお金以外の資産がふえたり、あるいは逆に借金という負債が減ったりし
ますが、いずれもお金が出て行くので資金繰りは逼迫するのです。



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